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アートディレクター 江島任 手をつかえ 仕事と話と仲間たち

“文化出版局の「ハイファッション」「ミセス」「NOW」創刊時、日本における雑誌の世界にデザインの概念を持ち込み、エディトリアルデザインという仕事の在り方を示した先駆者、江島任。
広告の枠を超える影響力を社会に与えた「懐石サントリー」など彼の仕事は、アートディレクターという存在の価値を広告業界に力強く知らしめるものとなりました。
戦後の荒廃から奇跡の復興を遂げ、経済大国への道を一気に突き進もうとした60年代。社会と密接に関わり、経済・文化を牽引してきたデザインの、その黎明期というべき時代に一冊の雑誌、一つの広告に対して、模索しながらも魂をこめて取り組んできた先達がいました。その猛者たちはいったい何を考え、何をなしてきたか。
本書はそれを江島任という男を通して、次世代へ伝え残そうというものです。
――本文より
目次
- Chapter 1 江島任の仕事
- NOW
- 二十歳で出会って 立木義浩
- ボスの色気、大人の哀愁 湯村輝彦
- 「NOW」の男たち 佐藤隆介
- his monologue 1 今、生きている実感をつかむための本はこういう本に決まっている
- 原弘
- his monologue 2 活字を殺せ、紙を殺せ、インクを殺せ
- バミス紙を矯めて 江島任
- ハイファッション
- 雑誌は文化的価値のあるものでなければならない 今井啓子
- 緊張する余白 江島任
- ミセス
- 誰もやってないことをやる 大沼淳
- ワイド化の思い出 今井田勲
- his monologue 3 看板モデル、稲葉賀惠
- 銀花
- 装苑
- his monologue 4 妹、江島玉枝
- 懐石サントリー
- サントリー広告の企画書 宮川智雄
- 「懐石サントリー」様さま 佐藤隆介
- 企業文化をデザインする 藤井林太郎
- his monologue 5 博報堂との仕事
- 書物
- 江島任さんとわたし 島地勝彦
- his monologue 6 向田邦子さんのこと
- his monologue 7 日本橋たいめいけん 茂出木心護さんのこと
- his monologue 8 京都・河繁 浅見四郎さんのこと
- his monologue 9 雲月、田中清玄
- 平成の染付「下絵百撰」江島
- NOW
- Chapter 2 手をつかえ
- 誌面の躍動美は「手」で追求される 江島任
- 堀内さん 江島任
- 雑誌を創るのはむずかしい 江島任
- 一例にすぎないけれども 江島任
- Chapter 3 江島任という男
- あのころ若かった大先輩は、何を考えていたのかなぁ。 糸井重里
- 人生全部一人遊びだったなあという気がするんです。
- his monologue 10 藝大時代
- his monologue 11 文化出版局
- his monologue 12 新雑誌の準備
- his monologue 13 「ミセス」創刊
- his monologue 14 今井田さん
- 跋にかえて 藝大の仲間たち 中條正義
- 江島任年譜
- 雑誌とその時代
- これはあとがきに非ず
- 関係者一覧
- 奥付
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