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デザイン no.63
美術出版社『デザイン』誌1964年9月号。この年の表紙デザインはすべて杉浦康平が担当し、精緻なジオメトリックパターンのバリエーションが展開されています。
“当時の僕は、とても構成主義的な、あるいはある種の数理的な秩序をもつデザイン、スイスやドイツでは「カルテ・クンスト」と呼ばれる――「プログラミング・アート」と訳されていますが――それに似たデザインをしていたんです。(中略)写真植字機という、当時の僕らにとっては革命的な文字組みのシステムがデザインの分野にも定着しかけていた。その地紋のパターンを取りあげて、レンズによって拡大したり縮小したりしながら、マトリックスを並べて作ったものですね。手で描くということを一切せず、マトリックスの上に大きさの指定を数字で書くだけで、写植で打ち上げたデザインです。この当時にはこうした指定の仕方、手を使わないデザインをする人はほかにいなかったと思います。”
――『グラフィックデザイナーの肖像』所収 杉浦康平インタビュー(2004)より
目次
- 京都・大阪労音のポスター=概念と想像力について 梶祐輔
- デザイン教育に厚みを <デザインをめぐる初考察> 真鍋一男
- ニューヨーク世界博より 福田繁雄
- スウェーデン国立工芸大学, ストックホルム 田中正明
- 出会い <デザイナー三面鏡> 河野鷹思
- 日本伝統のパッケージ展より <デザインに対する一つの示唆> 岡秀行
ほか
- 著者
- 杉浦康平(表紙デザイン)
- 発行
- 美術出版社, 1964年
- サイズ
- 208x296mm, ソフトカバー, 58ページ
- 状態
- B, 背ヤケ
- 価格
- ¥2,000(税込)
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