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アート・ジャパネスク 日本の美と文化 15 浮世絵と町人 江戸メディア・アート

1982-84年にかけ、松岡正剛の編集企画・制作によって全18巻が刊行された日本文化美術全集『アート・ジャパネスク Art japanesque 日本の美と文化』。
第15巻は「江戸メディア・アート」と題し、江戸時代に花開いた浮世絵をメディアとして捉え直し、当時の町人文化における情報伝達、娯楽、ファッション、社会風刺といった多様な展開を掘り下げています。
和紙の繊維や版木のめり込みがクッキリ見えるほど超接写した浮世絵図版、江戸の都市構造や浮世絵師の系譜を視覚化したダイアグラムなど、旧来の美術全集には類を見ない編集が試みられています。
“ぼくがとくにこだわっていたのは、「型」とか「流」とか「様」というスタイルをあらわす言葉をたてながら各時代の日本様式のあり方を強調して見せるということと、それをダイヤグラムや図解を駆使して解説するということでした。日本美術史を再編集するということで、解説ページには図解をたくさん入れて、すべての巻に自在な年表も入れるということも徹底しました。
もうひとつ、美術写真を一変させたいということも最初から考えていました。国宝や文化財を黒とかグレーとかのバックで正面からおとなしく撮った、ああいうよくある美術写真にはしたくなかった。(中略)美術品の全体を見せるのではなく、部分だけを思い切ってクローズアップして紹介するということもふんだんにやりました。”
――松岡正剛『世界のほうがおもしろすぎた』より
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